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2008年1月に作成された投稿

2008年1月25日 (金)

経験することの重要性

前回のエントリーに、この暴落相場で仮に損失を被ったとしても、その経験を必ず次に活かして、損失以上に役立てることができる筈だという意味の事を書きました。

その話の続きで、今回暴落を経験して、その経験を具体的にどうやって次に役立てるのか、自分なりの考えを書いてみます。

このブログの読者の皆さんの中には、 バフェットからの手紙 を読まれた方も少なくないと思います。またその本に限らず、バフェット氏について勉強されている方も居られると思います。
「手紙」に書かれている内容を全て理解するのは非常に難しいとは思いますが、大体理解している、または重要そうな部分は理解しているという方は居られますよね。

「ミスターマーケット」が非常に感情的で、大変な癇癪持ちであるという意味の記述については難しい話ではないので、読んだ方は大抵理解されていると思います。

では・・・、

実際自分がポジションを持った状態で、今回のような暴落相場に直面し、日々含み損が拡大していく時の心理、気持ちを、それを読んだ時に臨場感を持ってリアルに想像できた人はいるでしょうか。

多分多く人は「ふ~んそうか、じゃあそういう時に買えばいいんだな」という風に考えたのではないでしょうか。それは結局表面上理解していたつもりになっていて、実は腹の底から理解できていた訳ではないですよね。

例えば一つの考え方として、今現在ポジションを持っている時点で、「そういう時」でない時に買っている訳ですから。
まあそうは言っても「底値」で買うことは不可能なので、上記考え方は理想論かもしれません。

しかし殆どの方は「割安」との評価が算出されれば、時期がどうであれ「即」買ってしまおうとしていたのではないでしょうか。やっぱり折角砥いで磨いた刀は、直ぐに使ってしまいたくなりますよね。僕自身もそうでした。
だからこそ、大幅な含み損を抱えている訳です。

今年の8月に急落した時、「こういう時にこそ買うべきだ」と思ったし、どこかで書いたかも知れませんが、それより遥かに下がってる現時点で、「いや、やはりこういう時だ」と再び思うのです。

しかしこの先もっとヒステリックに暴落する可能性だってある訳ですし、そうなれば、今はまだ買いではないとなるかも知れません。

ですから、そうやって究極の場面を身をもって経験することが大切だと思うのです。
これまでの人生の間、もっとひどい暴落があったのかも知れませんが、問題は「バリュー投資としてのポジションを持っていたか」という事であり、持っていなければ何の痛みも実感もなく、「経験」とはなりません。

まあごちゃごちゃと色々書きましたが、結論としては、自分勝手割引率(Ke)が10%で割安とか言ってる間は、まだまだ甘いということです。
今後は最低でもKeを20%~30%に設定し、それで割安と算定できた場合にのみ、買い出動をしようと考えています。

もちろんそれが結果的に正しいかどうか現段階では解りませんし、実際にそれを実践できるかもわかりません。
しかし、もしそれがダメだった場合でも、何故ダメなのかをきちんと検証し、次に繋げればいいだけの話です。

大切なのは間違っているとしても、自分が正しいと考える仮説に基いて、「試してみる」という事だと思います。

前にも引用しましたが、すごく好きなエジソンの言葉を再度引用します。

私は実験において 失敗など一度たりともしていない。これでは電球は光らないという発見をいままでに、2万回してきたのだ。
(トーマス・A・エジソン)

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2008年1月23日 (水)

暴落相場

大変久しぶりの更新となりますが、いつもムラがあってすみません。
このムラのお陰でサラリーマン辞めたぐらいですから(笑)。

昨日、別のエントリーに、ある方からいただいたコメントに対して、この暴落相場に対する自分の考えを書きました。
同様の内容となりますが、本日改めて書きたいと思います。
(今日は少し上がっているようですが、だからという訳ではないです(笑)。)

僕も当然相当に大きな含み損を抱えていますが、その金額をいちいち頻繁にチェックしてはいません。
ところが色んな方からメールなどで、「この相場本当に大丈夫?」とか、「どうなるんでしょう」とかご連絡いただくので、自然と相当に下がってるんだろうなとわかります。
(アービトラージ用にいつでも出動できる資金を確保するため、長期投資用ではある程度信用取引も使っているので、追証には引っかからないようにチェックしている程度です。

で本題なのですが、①まずは「価値」と「価格」の話です。
投資先企業が本当に自信を持って算定した通りの価値があるのなら、価格が安くなるのは全く問題ないどころか、むしろ買い増しのチャンスであり、喜ぶべきことですよね。

まあしかし人間である以上、本当に価値算定が正しいのか、これだけ下がると不安になる心理も当然だと思います。

②次に板倉さんも最近書いていますが、北米の実際のリセッションや、それが世界的に波及した場合、また人々の心理悪化が要因となっての不景気による、企業業績の悪化など、「価値」自体にも影響を及ぼす可能性もあるのだと思います。

それで、①でもし自分の価値算定が間違っていた場合、また②によって投資先企業の価値が実際に減少してしまった場合、いずれにしても潜在的な「含み損」であったものが、金額の多少は別として、実際の損失に変わってしまう可能性がある訳です。

もしそういった状況が現実のものとなった場合の僕の考えは、「だからどうした」です(笑)。
しかし「そんなの関係ねえ!」とはちょっと違います。

なぜそうなのかと言えば、原因はどちらであれ、リスクを取って投資し、リターンを得ようとしている以上、常に損失が全くないなんてありえませんし、凹むことがあるのは寧ろ当然ではないでしょうか。

要は損失を出したなら、その原因を追究し、真摯に反省して大いに「学習」し、その経験を次に活かせばいいと思うのです。

問題なのは、常に凹んで資産が減り続けるとか、損失を出しても何も学習せずになんとなく忘れてしまうことだと思うのです。
そうではなく本気で考えて反省すれば、損失から何かを学び、その損失以上の経験知や貴重な示唆が得られる筈だと思います。

僕は今回の下落相場で、実際の損失、それもかなり大きな損失を出してしまうかもしれないと覚悟はしていますが、仮にもしそうなった場合でも、必ずその損失以上の「価値あるもの」を絶対得るつもりですし、得られると考えています。

何故そう確信できるかというと、仮に今回の相場で考えうる最大の損失を被ったとしても、相対的にそれより遥かに大きなダメージを、以前のベンチャー失敗などで被った経験があります。

その時は相当な痛手だと考えていましたが、その経験は自分を大きく成長させ、今では完全に自分の糧となり、その損失以上の価値あるものになっていると考えられるからです。

では今回の場合の、貴重な「経験知」とは具体的には何かという話ですが、現時点でもおぼろげなく像が見えてきている気がしています。

長くなるので、それが何なのかについては次に書こうと思います。

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