09書評

2008年7月10日 (木)

お久しぶりです

皆さんお久しぶりです。
真っ当な良書を見つけました。

「億万長者」とか「○億円儲けた」といったタイトルのつく本は、胡散臭い本が多いですが、この本は違います。

この本では、
・自分の得意な分野、能力が活かせる仕事は何かを見極め、
・その分野についてのスキル、能力を磨き、
・人のため、社会のために誠実に努力し、働いた結果、
・お金は後からついてきた。

といった事例が沢山書かれています。

もちろんインチキしたり、他人を貶めて合法的に金を奪うような行為によって億万長者になった輩は、世の中に沢山いるでしょうが、そういうのは決して幸せではないと思います。

何かの拍子に下がりかけていたモチベーションを、大いに引き上げてくれた一冊です。

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2008年4月 6日 (日)

ビジネス書は「娯楽」である

いや~、勉強になりました。(濱さん風の出だし)
昨日紹介した本ですが、大半は読んでいたのですが、さっき最後まで読み終えました。

そこで気付いたのが、タイトルに書いた事です。
つまり、書かれている内容が、実際に役立つということより、タイトルの気付きを得たという意味で、「勉強になった」のです。

昨日の段階で「当たり前の事」が書かれていると紹介しました。
多くのビジネス書も同様に、「良い事」が書かれていますが、まあ特にとんでもない新発見や、物凄い事が書かれている訳ではなく、一般的に知られている「当たり前の事」が書かれている訳です。

そして、読んだからといって、特別に役に立つというより、「役に立つ気」にさせてくれたり、一時的に「モチベーション」を上げてくれたりする訳です。

例えば、文中のフレーズで、
「○○すれば、収入がアップし、売り込みしなくても顧客が集まり、有益な人脈ができる(要約です)」
というようなものがあります。

その文章には、多分多くの人が引き寄せられ、「そうか!じゃあ自分もやってみよう。」となるでしょう。
しかし冷静に考えてみれば、多くの場合(その人の環境や実力などにもよりますが)、そう簡単には行かないのが現実でしょうし、○○したからといって、そういう効果が得られるまでのステップなり、ロジックは見えてきません。

以前ここでも同様のことを書きましたが、本の知識というのはそれだけでは、あくまで知識に過ぎず、実際役立つようにするには、多くのハードルと、汗を流す苦労と努力が必要なのです。

他の例を挙げると、「飛躍的な時間短縮のために、仕組みを作る」。
その最も典型的な方法として、「社員などを雇って、人にやらせる」です。

まあそれは、ビジネスを行うという行為そのものであり、至極当然で理論的ではありますが、人を雇って仕事をやらせるのは「物凄ぉ~く」大変なことや苦労が沢山あります。
書き出すとキリがないのですが、固定費がかかったり、人間ですから全て思うように動いてくれなかったり、人間関係に気を遣う必要があったり・・・

要するに、何事も自分で行うには「汗をかく」必要がありますが、人にやってもらうという行為も(ビジネスそのものである以上)、それ以上に汗をかかなければいけないケースだって当然ある訳です。

ここで筆者のプロフィールを改めて確認してみると(勝手な想像に過ぎませんが)、どうも本格的な「実業」を行っている人ではないと判断できるのです(別にそれが悪いという意味ではありません)。

結局、売れるビジネス書というのは、すごく読み易くかかれていて、読んでいて「いかに楽しいか」、また「いかに"役に立つ"気にさせてくれるか」というのが大きなポイントであり、そういう意味では、純粋な娯楽小説などと大して違わないのだなと思います。

殆どのビジネス書に書かれている「実践的に役に立つ」事柄については、既にこれまでに山ほど出でいる本に書かれている「既公開」の知識でしかないですから、それをもとに実際の効果を得られる人は、もうとっくの昔に実践して効果を得ている筈です。

そういえば、ビジネス書を多く出して売れている人の中には、ある意味ここで書いた人との共通点のある人はいますね。
確かに悪質さの違いはありますが、虚業的な部分があることは否めないと思います。

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2008年4月 4日 (金)

レバレッジ時間術

まあ、ごく「当たり前の事」が書いてあるのだけれども、人間常にそれを意識して実践できてるかといえば、殆どの場合そうではなく、流されてしまっていると思います。

逆にその「当たり前の事」を常に実践できる人は、成功者になっているでしょう。

別の多くのビジネス書にも言えますが、その「大切な事」をリマインドするという意味で、非常に読みやすく、いい本です。
ですから、こういった内容を、いちいち本を読んでリマインドしなくても、日常生活の中で「常に」リマインドできる仕組みなりを工夫して、何度も何度もリマインドすることにより、右脳と体に刷り込むことができれば、いいんですけどね。

全体的にいい事が書かれていますが、一点、この著者もまだ常識にとらわれ過ぎている部分は見受けられました。

具体的には「スピードこそ命」という、まあビジネスマンが妄信している宗教のようなものですね(笑)。

それは当たっているケースが多いのですが、例えば投資タイミングを計る場合に代表されるように、いつもそうではなく、多くのビジネスでも「じっくりとタイミングを計って、流れや波をつかむ」という事も、また重要なのではないかと思います。

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2008年3月24日 (月)

電卓一つで「企業価値」を見抜く方法

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「企業価値」を見抜く方法
(世界一やさしい理論株価のはじき方)



電卓一つであなたもアナリスト




本屋でふと目に付いて、買ってしまいしました。
もちろん突っ込み用です(笑) が、東洋経済がどんな真っ当な方法で、「企業価値」の測り方を書いているのかに、少しは興味がありました。

ざっと斜め読みしていくと、企業価値の算定は「DCF」が真髄である云々・・・
「ふむふむ、確かにその通り。」

じゃあ「KeやWACC(割引率、リスク認識)」はどうやって出すんだろうか。
どうせ我々の間では「使い物にならない」という話になっている「CAPM」を使うんだろうなと、予想していました。
しかし実際に読んでみると、そうではなく、「株価から逆算」するらしいです。

「え?????????」

企業価値を算定するための因数の一つである「割引率」を、株価から逆算する?

読み進めてみると、
「PERの逆数を、割引率(期待収益率)として使う」そうです。
そして、投資家に帰属するキャッシュフローは、ざっくり「純利益」で代用するらしいです。

「頭おかしいんじゃないの?」

これ以上詳しく読む気にもなりませんでしたが、結局企業価値を算定するのに、株価(PER)を使うという事は、時価総額=企業価値という事になり、それなら電卓すら要らないと思いませんか?

要するに毎日ついてる価格が、求めようとしている価値って事で、何が言いたいのかよく解りません。

また「ネタ」か?

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2007年12月25日 (火)

「ザ・プロフィット」利益はどのようにして生まれるのか

このブログを見ていただいている誰かが、アマゾンで購入されたログがあり、すごく面白そうだったので、即注文して読んでいます。

ヒジネスモデル = バリュードライバー = 利益の源泉 の幾つかのパターンを把握する上で、非常に勉強になります。

様々な企業価値評価(バリュエーション)をする上で、非常に重要なのはビジネスモデルを把握する事です。

板倉さんはセミナーでよく、

・タッカーとフォード
・トヨタ
・アマゾンとセブンイレブンの比較
・ソニーのPS3と任天堂の比較

などを例に挙げて、ビジネスモデル=利益の源泉を解説しています。

しかしそれ以外の会社のバリュエーションをしようとした時、その会社の真のビジネスモデルがなんであるのか、突きとめられない場合も多いのではないでしょうか。

例えば、単純に「技術力」とかで片付けていないでしょうか。

この本では、読みやすい物語形式によって、23のモデルを解説しており、色々な気づきが得られるとともに、ビジネスモデルが体系的に整理、理解できると思います。
さらに一つの例を紹介するごとに、同じモデルの他の例を考えさせるように書かれており、真剣に考えれば相当なトレーニングになります。

気付きの例を幾つか挙げます。

例えば、「製品ピラミッド利益モデル(ファイヤーウォールで利益を守れ)」の項目を読むと、バービー人形の会社がこれに該当する例として紹介されていますが、トヨタはまさにこの仕組みも実践していると気付きます。

さらにバフェットの投資先である「コカコーラ」のバリュードライバーは、これまで「ブランド」だと片付けていました。
しかし「マルチコンポーネント利益モデル(同じ製品で異なるビジネスを)」にも該当する事がわかり、「う~ん、なるほど!」と関心させられてしまいます。

企業価値評価をする前提知識として、超オススメの本です。

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2007年12月13日 (木)

社長になっていい人、ダメな人(さらに続き)

前回の解答ですが、もう皆さんおわかりですよね。
正解は「ウォーレン・バフェット」です。

彼のしている事は、

既に優秀な経営者が作り上げている「儲かる仕組み」のなかで、「実績」も「将来にわたる安定性」も兼ね備えたとびきりのいいやつ(つまり会社)の一部(または全部)を、実際の価値よりも大幅に「安い価格で」手に入れる。

という事であり、そういう買い物をこれまでいくつも行ってきたという事ですよね。

「そんな良い会社の株なんて、安く買える訳ないだろ!」
という声が聞こえて来そうですが、そう考える方はこの本を読んで、「ミスターマーケット」について勉強する必要がありますね(笑)。

という訳で本題に戻りますが、「社長になっていい人、ダメな人」という本。
元々突っ込みネタ用で買ったのが、逆の意味で大当たりで、すごくいい本です。

起業を目指す人や全ての経営者の方にオススメです。
結構簡単に読み易く書かれているので、「んな事わかりきってるよ!」とか言い出だす人もいそうですが「わかっている」、「真に理解している」、「実践できる」は全て別物ですからね。

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2007年12月10日 (月)

社長になっていい人、ダメな人(続き)

前回に続き、もう少し詳しく評価を書いてみます。

元々、「いい人、ダメな人」って偉そうに・・・
「じゃああなたは行政書士らしいが、そんなの言える立場かよ?」
という感覚から、「突っ込んでみたい本」だと思った訳です(笑)

しかし本文を読む前に、「おわりに」に目を通したところ、

本書を執筆している私も株式会社の社長ではありますが、では、ここまで挙げた「社長になってはダメな人」の項目にどれだけ当てはまるのかと言われたら、その答えは・・・・・

           全て

・・・・・・です。

と来られてしまったので、とりあえずその謙虚さゆえ、突っ込む気力を削がれてしまいました(笑)


全体的に書かれていることは、ごく「基本的」で「当たり前」のことが書かれていて、特に驚くべき新しい知識や、何か画期的なことが書かれている訳ではありません。

だからといって役に立たないのではなく、自分が経営していく上で、つい見落としてしまったり、わかっているハズなのに忘れてしまっている事などが再認識できるのです。

「人を信じすぎる人」「取締役に裏切られる」なんて正に自分が過去に犯した失敗そのものなので、「うんうん、そうそう!」という感じです。


また、読んでいて一つ大きな気付きを得ました。


それは「成功する経営者は、利益製造マシンを作る」という主旨の内容から得られたものです。

例えば優秀な能力を持った「SE」でも「コンサルタント」でもいいのですが、その人が直接顧客に出向いてコンサルなどの仕事をすれば、手っ取り早く利益が得られ、大した投資や経費もあまり必要ではないですよね。

しかしそれでは会社はすぐに限界が来てしまい、それ以上大きくもならないし、利益の成長も望めない。僕はそういう「優秀な人」が経営し、「限界を超えられない会社」を幾つか身近に知っていますし、自分もどちらかというと(優秀ではないですが)そういう方向に走ってしまう傾向があります。

実際に会社を成長させるためにはそれではダメで、中長期的な視点に立って「仕組み造り」のための「投資」をするのが、経営者の本来の仕事であり、目先の利益を追わずにそれをコツコツとできる人が経営者として成功しているという訳です。


次にそれを自分自身の経験に照らしたり、現在の自分の置かれている状況に立って考えてみます。


これまで、自動的に仕事が回っていき、自分と家族が十分に食っていける程度の、比較的小さな「仕組み」を作ることには成功し、そのお陰で投資の勉強をする十分な時間が取れ、結果として投資家としてやっていけるであろう状況にはなりました。

しかし、さらに大きな「仕組み」を作ろうとチャレンジした際には、苦労も多く、結果的には失敗してしまいました。

前回の失敗から学んだ様々な教訓を活かして、もう一度起業することにより、大きな「仕組み造り」にチャレンジするのも一つの方法ですよね。
(これから起業を目指す人にとっては、苦労も多いですが、エキサイティングだし、色々な経験によって、自分自身が大きく成長できる、非常に前向きな選択肢だと思います。)

しかし世の中そう簡単じゃないし、大きな仕組み造りを成功させようとすれば、「気力」と「体力」と「根気」と「情熱」と「時間」などがフルセット(笑)で必要ですし、リスクも非常に大きいです。


そこまで考えて、その「気付き」というのがふと浮かんで来ました。


それは、上記の話を踏まえた上で、「更に効率の良い方法」を実践することによって、巨万の富を築いた人がいることを思い出したのです。

やっぱ自分自身が目指すところは「それだな!」と思った訳ですが、誰のことであり、どんな方法か皆さん分かりますよね?

す。

答えは次回に書きます(笑)。

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2007年12月 8日 (土)

社長になっていい人、ダメな人

「意外に」と言えば失礼ですが、結構真っ当な内容で良かったです。

元々パートナーエッセーを書くための突っ込みネタを探そうと買った本です(笑)。
行政書士の人が、色々な経営者を見てきた経験から書いているとのことだったので、「行政書士さんが傍から経営者を見たところで、何がわかる?」と思っていたからです。

しかし、平易な文章で読みやすい上、結構的を突いていて良い内容でしたので、追って具体的に良かったポイントなどを書きたいと思っています。

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2007年12月 2日 (日)

(笑)

図書館で探し物をしていた時に、この手の本はどんなバカな事を書いているのかと興味を持ち、ふと手に取ってさっくりと斜め読みをしました。
(真剣に読む価値は当然ないので)

書かれていることは要するに、
1.株で儲けて
2.その金を頭金に、収益不動産を買えば、
3.安定的な不労所得が得られる
という流れです。

で、その株で儲ける方法が、

「素人が儲けられるのは、『仕手株』か『低位株』しかない」そうで、「時期によって定期的に騰がる銘柄があるので、それを騰がる前に仕込む」のだそうです(笑)。

その具体的な銘柄と、チャートでの説明も載っていたのですが、お話にならないので、検証する気にもなりません。

そして、それで儲かった金を頭金に、レバレッジを効かせて収益不動産を買うらしいですが、後半はその収益不動産オーナーになるノウハウが書かれているようです(そこは興味ないので読んでません)。

真剣に読んでませんから、1.3億が「資産」なのか「純資産」なのか知りませんが、資産だったら別に全く儲からなくても、借金するだけで膨張させることは可能です(笑)。

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2007年11月28日 (水)

なぜ利益を上げている企業への投資が失敗するのか

会計上の利益が当てにならないという観点では、DCF法を使った企業価値評価と同じ考え方です。
この本では我々が普段使っている方法とはまた違った独特の計算方法で、投資対象企業の評価をするのですが、そのロジックからして、大きく間違ってはないと思います。

この本がユニークなのは、「研究開発費」と「広告宣伝費」を、「費用ではなく資産」としてみなし、あたかも「設備投資」と「減価償却費」のように扱う独特の計算方法を採用している点で、面白いと思いました。

DCF法による企業価値評価を、また別の切り口でみるという点で、面白い内容だと思いました。

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